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粉河町内の文化財
粉河町指定文化財
粉河町文化財保護条例第三条の規定により、
粉河町指定文化財に指定(平成10年2月28日)
千田家住宅主屋
・指定種別:建造物
・員数:1棟
・所在地:那賀郡粉河町南志野316番地
・所有者:千田軍治





千田家は、この地の郷士で、代々庄屋を勤めた家である。指定を受けた主屋の棟札には、「安永6年」(西暦1777年)とあり当時の建築物である。
主屋は、東半分は土間、西側を居室部としていて、正面は土間から上がり口・中の間座敷・背面側に台所・納戸を設けている。また、上がり口・中の間の南側を玄関・書斎とし、土間の奥は、居間と炊事場になっている。土間・台所・中の間は、根太天井であり、部屋境には差鴨居が入っている。座敷は、付書院・床・違い棚を設け、棹縁天井を張り、四周に長押を打ち、南・西・北側に縁を設けている。座敷の周囲に縁側を廻す形式は、大和街道沿いによく見られるが、千田家はその中でも最も古い例である。
長い年月の間に改変されているが、特に座敷の床や書院の造作、欄間の意匠が優れている。
東側に「離れ」、北西に「蔵」、いずれも明治40年(1907)、南側に「長屋門」が大正5年(1916)に建てられているが、これらの建物と敷地を取り囲む土塀や主屋の周りの庭園など、屋敷構えが整っているのも価値が高い。